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記者の眼

「シン・ゴジラ」にみる、ニッポンのITインフラの虚構と現実 (4/5)

浅川 直輝=日経コンピュータ 2016/09/23 日経コンピュータ

日本のインターネットインフラは大丈夫か

 さて、「シン・ゴジラ」映画の話に戻ろう。終盤では、東京駅の近くで動きを止めていたゴジラに対して「ヤ○○○作戦」が決行される。人が避難して無人となった都心で、決死の作戦が…。

 その様子を映画館で見ていて、作戦の進捗以上に気になったことがあった。東京駅周辺、つまり東京都千代田区大手町あたりのビルが破壊され、人がいなくなるというのは、日本のITインフラにとって極めてマズい事態なのではなかろうか?

 大手町には、通信事業者が日本中に張り巡らせたネットワーク同士をつなぐ結節点「インターネットエクスチェンジ(IX)」が集中している。通信事業者は、このIXを通じ、お互いに通信を交換している。日本のインターネット網の「心臓」ともいえるITインフラだ。

 IXが集約する大手町が、ゴジラの火炎やビームで破壊されたり、避難のため保守要員がいなくなったら、何が起こるのか。クライマックスの無人新○○○弾や無人在○○○弾も目につかず、「この時点で、日本のインターネットはどうなったのだろう?」と気になってしまった。

 とはいえ、このテーマで通信事業者の広報に取材を依頼しても「我々のインフラは冗長化されており、問題ありません」といった杓子定規の回答しか返ってこない気がする。誰か、企画の趣旨を理解し、本音で語ってくれる方は…。

 そこでお話を伺ったのが、データセンター運営、さくらインターネットの田中邦裕社長である。サブカルチャーへの造詣も深く、「虚構をマジメに考察する」という企画の意図を理解いただける、と確信した次第だ。

さくらインターネットの田中邦裕社長
[画像のクリックで拡大表示]

 ゴジラが日本のインターネットインフラに与えた(かもしれない)影響について、田中社長へのインタビュー形式で解説しよう。

ゴジラが放った火炎は、東京都心のビルの低層部を広範囲に焼き、さらに火炎を収束させたビームが多くのビルを破壊しました。「日本のインターネットインフラは大丈夫か」と気が気ではありませんでしたが…。

 東京都心にあるインターネットインフラのうち、光ファイバー網については、ゴジラの火炎攻撃に対しても大きな損害はなかったかもしれません。東京では、鉄道や道路、地下鉄などに沿って光ファイバーが敷設されており、その大半は地下に敷設されています。

 一方で通信事業者間でデータを交換するインターネットエクスチェンジ(IX)は、大きな被害が出る可能性があります。

 日本のIXは、トラフィック換算で半分以上が大手町に集中しています。例えば、大阪から九州の間でデータを送信する場合も、データの多くは大手町を経由しているわけです。大手町のIXが停止すれば、日本のインターネットインフラは大打撃を受けます。固定網、携帯網を問わず、広範に通信障害が発生する可能性があります。

 IX施設の大半は、地下ではなく地上にあります。地下にある各社の光ファイバーを地上に引き上げ、光ケーブルの信号を電気信号に変換し、IPアドレスに従ってデータを交換しています。このビルが、ゴジラが吐く火炎やビームの直撃を受ければ、ひとたまりもないでしょう。

 直撃を受けなかったとしても、都心の住民に避難させていたとすれば、施設をメンテナンスする人もいなくなります。もちろん施設はリモートでも運用でき、停電が起こった場合には非常用発電装置が稼働しますが、2日ほどで燃料が切れます。あのゴジラがいる側まで燃料を補給しに行ける人を探すのは難しいでしょうね。

インターネットは元々、ある回線が切れても、別の回線を迂回して通信ができる仕様です。大手町がダメでも、他の経路を迂回して、通信を維持できないものでしょうか。

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