安倍政権が推奨するホワイトカラーの生産性向上はいうに及ばず、少子高齢化による労働人口の減少や女性の社会進出など、これまでの働き方の変革を迫る課題は枚挙にいとまがない。

 そんな中、賃貸オフィスや貸倉庫・店舗などの事業用不動産サービス業で世界最大の米シービーアールイー(CBRE)の日本支社が、2014年4月の東京オフィス移転を機に働きやすさを突き詰めた最新オフィスを構築した(写真1)。移転後半年も経たないが、既に見学者は4000人を超える人気ぶりだという。

写真1●東京・丸の内の明治安田生命ビルに移転した米シービーアールイー日本支社の東京オフィス
写真1●東京・丸の内の明治安田生命ビルに移転した米シービーアールイー日本支社の東京オフィス
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 CBREの新オフィスの特徴は、豪州の大手銀行や会計事務所などが採用し、生産性を高める新しい勤務形態として注目を集める「アクティビティ・ベースト・ワーキング(ABW)」に基づき、ITを活用して完全フリーアドレスの働き方を実現した点だ。

 ABWは仕事の内容を中心に据え、それに適した場所を社員自身が選ぶといった勤務形態を指す。一般的なフリーアドレスと似ているが、仕事の内容に応じた多様な場所の提供に焦点を当てている所に特色がある。例えばCBREの新オフィスでは一般的な作業スペースのほかに、ちょっとした会議をするためのコラボレーションスペースがある(写真2)。

写真2●窓辺に設置したコラボレーションスペース。人がいないときは休憩スペースにもなる
写真2●窓辺に設置したコラボレーションスペース。人がいないときは休憩スペースにもなる
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