写真●取材後に購入して使ってみた5つのヒット商品
写真●取材後に購入して使ってみた5つのヒット商品

 2015年9月29日発売の日経情報ストラテジー11月号で、「ヒットメーカーが語る データの目利き術」という特集記事を担当した。市場の成熟などでなかなか出にくくなっているヒット商品を、ここ最近、世に送り出せたメーカー担当者に直撃取材。アンケート調査の集計結果といった定量データや、現場の声や顧客の声といった定性データのどれに着目して、ヒット商品につなげたのか、開発秘話を紹介している。

 今回の特集記事で取材したメーカーの商品はどれも魅力的だったので、入手可能なものを5つ購入してそれぞれ試してみた。明治のミルクコーヒー「明治 白のひととき」、小林製薬の芳香剤「Sawaday PINKPINK」、コクヨS&Tの「ソフトリングノート」、バンダイナムコ エンターテインメントの討伐アクションゲームソフト「ゴッドイーター2レイジバースト」、そしてキユーピーの「あえるパスタソースシリーズ “香る”タイプ」だ(写真)。

 特集記事では、生活雑貨のロフトにも現在、京都で開催中の「マグリット展」に関連する独自商品について取材し紹介している。残念ながら最寄りのロフトの店舗では見つけ出せなかった。芳香剤は20代女性向けのものなので、40代男性の記者としては買うとき少し緊張した。ゴッドイーターのソフト購入を機に、PlayStation 4を今回どんと買ってしまった。

 買ったものをそれぞれ家に持ち帰ったあと、ヒットメーカーたちへの取材内容を思い出しながら使ってみた。「このノートのリングはかさばり感が抑えられていて、書くときに邪魔にならないな」「飲むとミルクの風味でゆったりまったりするよ」「おっ、混ぜた途端にいい香りだ。食欲が増すぞ」などと、楽しんでいる。

 つまり使うと何かしらの感動を得ていたわけだ。どれも顧客経験価値の高い商品だと言い換えられよう。顧客経験価値とは、商品やサービスの直接的な機能の良さではなく、利用した時に消費者の気分を爽快にさせたり、消費者が良い雰囲気に浸れたりするような、使った経験を通して得られる付加価値を指す。