立ったまま会議をする「立ち会議」。その“第2次”ブームが今、到来していると感じている。

 あくまでも私個人の20年近い取材経験に基づく感覚での話なので、“第2次”というのは全くの私見である。ただ、2014年夏に日経情報ストラテジーの特集でイノベーションをテーマに取材を続けるなかで、久しぶりに立ち会議の話題に行き着く場面が2件重なった。

 イノベーションと立ち会議──。そこには何らかの因果関係があるのかもしれない。そう思わなくもなかった。

 そしてもしかして、キヤノン電子以来の立ち会議ブームの再燃か、とも思った。2006~2009年ごろを立ち会議の“第1次”ブームとすれば、2014年の今は第2次ブームというのが、私なりの“勝手”な解釈である。

「キヤノン電子=立ち会議」のイメージ

 読者のみなさんは立ち会議と聞いて、何を想像するだろうか。もちろん、多くの人は立ったまま会議をしている風景を思い浮かべることだろう。だが少なくとも私にとっては、立ち会議といえばキヤノン電子につながる。

 それくらい、「キヤノン電子=立ち会議」というイメージは、私のなかで強い。きっと同じ感覚を持っている人が、一定数はいるはずだ。キヤノン電子の立ち会議は、それほど有名だと私は思っている。

 キヤノン電子の酒巻久社長の著書『椅子とパソコンをなくせば会社は伸びる! 』を読んだことがある人も少なくないだろう。そう、キヤノン電子は社内からいすを無くしたのだ。