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記者の眼

スマホが殺した「家族の会話」「仲間の時間」

高田 学也=日経コンピュータ 2015/08/25 日経コンピュータ
大阪・通天閣そばで目撃した「会話の死」

 お盆休暇中、あるカメラマンの写真に偶然出会い、思わず目が釘付けになってしまった。「The Death of Conversation」と題した19枚の写真シリーズがそれ。人々の生き様を街中でファインダー越しにえぐり取ることをライフラークとしている、英国ロンドン在住のベイビーケイクス・ロメロ氏が手がけた作品だ。

 和訳すれば「会話の死」、意訳するなら「人々の会話はもう死んだ」といったところか。すべての写真に共通するのは、スマートフォンを片手に画面に見入っている人物がモチーフであること。本人たちの意思とは無関係に、彼らがたたずむ空間はそこだけ周囲の世界とは分断したように見える。なんとも言えないもの悲しさが漂っている。

 スマホは日常生活を飛躍的に便利にする革新的な製品なのは間違いない。だからこそ、爆発的に普及したのも必然だった。一方で、登場前に当たり前にあったはずの温かみのあるコミュニケーションの機会を奪ってしまったのではないか。そんなメッセージが1枚1枚の写真に込められている。

本当に私たちは幸せになったのか

 筆者自身、常々スマホを活用した斬新なサービスをこれまで報道しつつも、ロメロ氏と同じようなある違和感を常に内側に抱えていた。本当にスマホの登場は人々を幸せにしたのか。そう自問自答することも少なくない。もしかしたら電車の中の景色の移り変わりから、同じように心の底でどこか引っかかるものを感じていた人がいるかもしれない。

 先日大阪に旅行した際、そちこちでスマホが目の前で家族や友人の会話を“殺している”現場に遭遇した。大阪の通天閣そばの「ジャンジャン横丁」で、ある有名な串カツ店でランチを食べていたときのことである。

 いつも行列の絶えない人気店とあって、家族連れや外国人カップルなどが大勢訪れていた。ところが私たちの周辺では、着席して注文が終わるや否や、すかさず全員がスマホを取り出し、無言のまましばらく串カツの到着を待つ2人組や4人組ばかりであふれていた。

 たまの休日だからこそできるはずの親子の会話を拒否している父と娘。友達同士で旅の思い出に花を咲かせる好機を自ら放棄しているアジア人グループ。慣れない大阪弁で思わず、「串カツは2度漬け禁止、スマホは2度見禁止でっせ」などと突っ込みを入れそうになったほどだ。まさにそこは、スマホが生んだ「会話の死」の現場だった。

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