クラウドがじわり浸透してきた今、サーバーを仮想化して運用することは当たり前の選択肢だ。仮想マシンの上にシステムを移行することで、サーバー統合を進めやすい、ポータビリティーが高まるといった恩恵が得られる。そうしたメリットの一つに、システムの“延命”がある。

 エンメイ(延命)という響きは穏やかではないが、システムの世界では、そのままでは使用期限が切れるところを、一線を越えて使い続けるソリューションを指す。

 現在、多くのユーザーが仮想化による延命を願いながら、その手法では解決できぬものがある。OSやミドルウエアのサポート切れの問題であり、特に、来年7月に迫る「Windows Server 2003」のサポート終了の影響は大きい(写真1)。

写真1●2015年7月にサポートが終了する「Windows Server 2003」
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写真1●2015年7月にサポートが終了する「Windows Server 2003」

 カウントダウンが続く中、2003からの移行方針が決まらず、手をこまぬいている企業は少なくない。日本マイクロソフトの推計によれば、2014年6月末時点で30万台のWindows Server 2003が稼働中だ。サポート終了への対策として、様々なベンダーが移行ソリューションを提供している。しかし、もし「仮想化すれば大丈夫」と考えているのなら、それは勘違いだ。