この記事の末尾にWindows 10の導入状況についてのアンケートがある。ITpro読者の現状をまとめたいと考えているので、ぜひご協力いただきたい。

 Windows 10への無償アップグレード期間が7月末で終了した。予告通り、無償アップグレードは1年間限定だった。

 それにしても「アップグレードのお誘い」はなかなかすごかった。下は6月下旬にWindows 7搭載PCでキャプチャーした画面である。散々話題になったからご存知の方も多いだろうが、この時点では「アップグレードを辞退する」という選択肢が明確ではなかった。「辞退」の文言が現れるのは期限まであと1カ月弱、という時点だった。

Windows 10へのアップグレードを促すダイアログ。この時点ではまだ「辞退する」が前面には出ていなかった
Windows 10へのアップグレードを促すダイアログ。この時点ではまだ「辞退する」が前面には出ていなかった
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「勝手にアップグレードして困った」

 世間の反応を見る限り、Windows 10を歓迎する人が多い一方で、このアップグレードのお誘いで困った人もまた多かったようだ。

 筆者のところにも、零細企業に勤める親族から「PCが勝手にWindows 10になって困った」と相談があった。ユーザーに一切の同意なしに「勝手に」アップグレードされるはずはないと思うのだが、直近に何らかのアクションをした覚えがなく、どの操作/行為がアップグレードにつながったのか全く分からない、という。

 その親族の企業は規模が小さいので、PCはデルで法人向けを買ってそのまま使っている。セキュリティ対策ソフトの様子を見たり、ソフトをインストールしたりする人はいるのだが、専任のIT担当者と呼べる人間はいない。操作方法が変わったことと、何となく調子が悪くなったので困っているのだ、と言っていたが、日々の業務を回すのに手いっぱいで調べてどうこうする余裕もない(PCのスキルはその兼業担当者も元々高くない)。

 「勝手になんてなるわけない」と職場のほかの人には笑われたけどその人のパソコンもWindows 10になったのよ、と親族から聞いて、やはりあのアップグレードダイアログは分かりにくかったのだ、と改めて感じた。結局、親族は不調を抱えたままWindows 10の仕事PCを使い続けている。

全面移行するも家族の反応は薄い

 筆者自身は2015年11月の大規模アップデート(TH2とも呼ばれる)に合わせてWindows 10のムック本を制作していたので、そのときにWindows 10を散々触った。

 以前も書いたが個人的にはWindows 10は、練られた良いOSだと思っている。Windows 7で評価されていたところを復活させつつWindows 8/8.1から続く最新の仕組みを取り入れている。古めのハードウエアでもきびきび動き、新しいPCだとなお速く、快適だ。家族用を含む個人管理のPCも、2台はすぐにWindows 10にアップグレードして使っていた。