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記者の眼

プログラミング教育にも悪い大人が群がってしまうのか

大森 敏行=日経NETWORK 2017/08/22 日経NETWORK

 「この人は英語がしゃべれないのに、なぜ英語を教えているのだろう」。私は中学校の英語の授業のときにこう思っていた。その英語教師の発音はカタカナ英語で、教科書に書いてあることしか話さない。本当に英語が話せなかったのかどうかはわからないが、少なくとも生徒から見る限り、話せるようには見えなかった。

 私が通っていたのは地方の公立中学校であり、何十年も前の話だ。教師に限らず、周囲の大人に英語を話せる人は一人もいなかった。おそらく地方の公立中学校のレベルはどこでもこの程度だったのだろう。

 この英語教師に特に問題があったとは思っていない。教科書に沿って英文法をきちんと教えてくれたはずだ。しかし、生徒がこうした教師を見て「自分もこの人みたいに英語がしゃべれるようになりたい」と思うことはない。

 今では英語を話せる人は珍しくなくなった。さすがに英語を話せない人が英語教師を志すことはないだろう。ところが「できない人が教える」という歴史を繰り返しそうな教育の分野がある。「プログラミング」である。

理解している人が足りない

 数年前に、あるソフトウエアエンジニアから「プログラミングを教えようとする人は、開発現場についていけなくなったから逃げているだけではないのか」と言われたことがある。その人に対して私は「プログラミング教育に携わっている人たちは、志を持ってきちんと教えていると思う」と答えた。

 具体的な組織名やサービス名を挙げることはしないが、今のように騒がれる前からプログラミング教育に取り組んでいる人たちは、プログラミングを理解したうえで本気でやっていると思う。子供向けプログラミング道場「CoderDojo」も、主催しているのはソフトウエアエンジニアが多い。

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