つい最近、自宅で使っているデスクトップPCのHDD(ハード・ディスク・ドライブ)が故障した。デジタルカメラで撮影した1996年からの全ての写真、家族を写した動画ファイル、過去に作成したドキュメント、音楽CDやCD-ROMのイメージファイル、スマートフォンやタブレットなど様々なデバイスから集約したデータなどが、3テラバイトのHDDに詰まっていた。

 そのうちおよそ1テラバイト分のデータはバックアップ無し。壊れる少し前に故障の前触れを見つけていたにもかかわらず、油断していてデータを完全に失ってしまった。その顛末から、ドライブ不調時にどうするかを紹介しよう。

 残念ながら、記事の結論に目新しさはない。業務用のPCは企業によって運用がさまざまだろうが、個人で使うPCのようにローカルデータをため込んでいる環境だったら、結局は「きちんとバックアップを取りましょう」が結論になる。

 慎重に取り扱っていたとしても、HDDの故障は防ぎようがない。今だと、2テラバイトの外付けHDDが1万円以下で買える。特別なバックアップソフトを使わなくても、取りあえず外付けHDDを接続してファイルをコピーすれば済む。故障で慌てないためには、けちらず、面倒くさがらず、バックアップする、それしかない。

「まだ使えるだろう」の油断で全て消失

 HDDの壊れ方にはいくつものパターンがある。ただ個人的な経験では、ある日突然PCの電源を入れたらいきなり壊れていたという例は少なく、事前に何らかの「予兆」があり、調子が悪いながらもある程度は使える状態が続いた後、完全に使えなくなってしまう例が多かった。そのため、壊れかけの間に、ある程度はデータを救い出せる。問題は、予兆から使えなくなるまでの時間の予測が付かないことだ。

 今回は故障した3テラバイトのHDDは、デスクトップPCの「Dドライブ」としてメインのデータ保存に使っていた。あるとき、Windows上でそのドライブが突然「見えなく」なった。「コンピューター」だけでなく「ディスクの管理」からも消えている。ずっと使っているHDDなのでPC内部の信号ケーブルが緩んだとは考えにくい。となると、これは故障の前触れだ。経験からそう判断した。