写真1● 決算会見で料金プランの見直しを検討していると明らかにしたNTTドコモの加藤薫社長
写真1● 決算会見で料金プランの見直しを検討していると明らかにしたNTTドコモの加藤薫社長
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 2015年末から2016年にかけて、大手の携帯電話事業者が基本料金体系を見直す公算が高まってきた。解約の負担がより少ない新料金プランを投入するなどの動きが出てきそうだ。

 現在、大手3社の携帯電話サービスでは、利用者が2年の継続利用を約束する代わりに基本料金を大幅に割り引いてもらえる、いわゆる「2年縛り」の割引プランが主流になっている。2年ごとに契約を自動更新する仕組みで、1カ月しかない契約更新月に解約しないと途中解約金9500円が発生するなど“解約しにくい”料金プランだとされる。しかし割引率が高いために、9割を超える利用者がこれらの割引プランを選択している。

 この「2年縛り」契約に対し、総務省は解約トラブルが目立っているとして事業者に改善を求める提言を2015年7月にまとめた。さっそく、行政の改善要求を受けてNTTドコモは料金見直しの検討に着手した。同社の加藤薫社長は2015年7月下旬に開いた決算会見でも、既に検討に入っており「2015年度いっぱい(2016年3月)をメドに(料金メニュー変更などの)結論を出す」と発現している(写真)。

 総務省は「2015年内をメドに、まず各社の改善状況を評価する」(消費者行政課)としている。期限の考え方に多少のずれはあるが、動きが注目されるKDDIやソフトバンクも含めて、全体としては2015年末から2016年前半までに各社の結論がそろいそうだ。

新種の「2年だけ縛り」割引が登場か


 では携帯電話大手3社は、どのような料金プラン改定を検討しているのか。今回の記者の眼は、その方向性を、記者が「こうあるべき」と考えた私案も交えて説明したい。

 まず事業者の動きを予測すると、途中解約金が発生する拘束期間を最初の2年だけに限った「2年だけ縛り」プランを投入する動きが主流になりそうだ。その場合、既存の「2年縛り」プランはそのまま残すだろうと記者は予測している。つまり、割引率がより有利だが拘束がキツい「2年縛り」と、割引率がやや低いが拘束が限定的な「2年だけ縛り」、そして割引もないが「縛りもない」という通常の基本料金プランの3つの選択肢が用意されるという姿だ。多くの利用者は「2年縛り」割引か「2年だけ縛り」割引のどちらかを選ぶだろう。