システム開発や運用の仕事をしているが、どうにも時間に追われている感がある。なぜこんなに忙しいのか――。仕事を忙しくているのは、実は決してクリエイティブではない“作業”である、というケースは往々にしてある。

 例えばこんな経験はないだろうか。

 開発エンジニアとして参加したあるプロジェクトでは、表計算ソフト「Excel」で進捗管理をしている。だが、誤入力や反映ミスが多くて機能しない状況に陥った。それ以外にこんなケースもあるだろう。開発用の環境では問題なく動いていたが、テスト環境では不具合があった。開発用の環境でもう一度動かしてみたが、不具合を再現できない。

写真●AWS Summit 2014のパネルディスカッション「クラウド時代の運用」
写真●AWS Summit 2014のパネルディスカッション「クラウド時代の運用」
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 運用エンジニアならば、障害対応依頼のメールが次々と来るだろう。何から対応すればいいのか分からないので、手を止めてメールを全文読む羽目になっていないだろうか。また、サーバーを増設する際、徹夜で1台ごとに設定作業をしていないか。

多くの“作業”はツールの活用で楽にできる

 実はこうした作業の多くは効率化したり、自動化したりできる。筆者は最近、いくつかのセミナーや勉強会に出席する機会を得た。それぞれでテーマは異なるが、多くで共通していたのは「仕事を楽にしよう。面倒な作業はコンピュータに任せよう」というメッセージだ。

 ここでキーとなるのは、開発現場や運用現場を支援するツールである。例えば7月17日から18日に開催されたクラウドサービス「Amazon Web Services」の大規模イベント「AWS Summit 2014」では、様々なツール名が飛び交った(写真)。筆者が出席した講演だけでも、Redmine、Jenkins、Chef、Serverspec、Vagrant、Docker、Serf、Fluentdといったツールの名前が上がった。

 使ったことがある、聞いたことがあるツールもあれば、見たことも聞いたこともないツールもあるかもしれない。全部を紹介するとキリがないので、代表的ないくつかを説明しよう。