企業向けのタブレット端末として、既に多くの企業で導入が進んでいるiPad。だが、この状況を変える新たな流れが起きつつある。

 大塚製薬は2014年6月末、医薬情報担当者(MR)向けに1900台のWindowsタブレットを導入した(関連記事:大塚製薬、MR向けのiPadとノートPCを1900台のWindowsタブレットに統合)。同社はiPad導入の先陣を切った企業。2010年6月に1300台のiPadを導入すると発表し、これをきっかけに製薬メーカーでのiPad導入が相次いだ。その大塚製薬が6月末の契約更新時期をきっかけに、iPadとノートPCの2台持ちの運用をデル製のWindowsタブレット1台に統合したのだ(写真1)。

写真1●大塚製薬が導入したデルのWindowsタブレット
写真1●大塚製薬が導入したデルのWindowsタブレット
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 北國銀行も2013年8月に米マイクロソフトのWindowsタブレット「Surface Pro」を、全行員向けに2300台導入すると発表している(関連記事:日本マイクロソフト、タブレット製品「Surface」の法人向け販売を開始)。主な用途としては営業行員に配布し、外出先ではタブレット、行内ではノートPCとして利用するという。大塚製薬や北國銀行のように、今後はノートPCとタブレットを2台持つのではなく、Windowsタブレットに統合する企業がさらに増えそうだ。

 Windowsタブレットへの統合の流れが加速しそうな理由は、大きく三つある。

 一つめはWindowsのデスクトップ環境が利用できること。Windows RTを除けば、Windowsタブレットは通常のデスクトップアプリを利用できる。大塚製薬がWindowsタブレットの採用に踏み切ったのも、1台でiPadのようにタッチ操作を生かして対面営業に使えるうえに、ノートPCのように各種文書の作成に使ったり、業務システムとスムーズに連携して利用したりできるためだ。