実務に必要な知識の習得や、保有するスキルの証明手段として役立つとされるIT関連の資格。今、その価値が問われている。クラウドの台頭のような技術動向の変化を背景に、受験者が増える資格がある一方、従来は定番とされていたにもかかわらず、最近は存在感が薄れた資格もありそうだ。

 ITの現場を取材をしていても、資格を価値をしっかりと見定めるITエンジニアが増えているように筆者は感じる。例えば、大手ユーザー企業のWebアプリケーションの開発でプロジェクトマネジャーを務める栗山 隆氏(仮名)は、「手当たり次第にIT資格を取得するくらいなら、ブログやツイッターで社外に情報を発信するほうが自身のスキルの証明につながる」と話す。

 そんな栗山氏も、パブリッククラウド関連の資格は取得したいと考えている。「Webアプリケーションを安定稼働させるには、基盤として使うパブリッククラウドの理解が欠かせない」(栗山氏)。資格の必要性をしっかりと見定めているわけだ。

今、本当に「いる資格」は何か

 ITエンジニアが資格の価値をしっかりと見定めている様子は、国家資格である各種の情報処理技術者試験の応募者数の推移からもうかがえる。

 最近、応募者数を増やしているのはセキュリティ分野である。「情報処理安全確保支援士」資格の前身に当たる、旧情報セキュリティスペシャリスト試験の応募者数は、2016年度は5万9356人と、前年度比で6.7%増だった。しかも同年度には「情報セキュリティマネジメント試験」が新たに加わり、こちらも4万3877人と相応の応募者数があった。セキュリティ分野の資格に価値を感じているように見える。

 資格の価値が問われているのは、公的団体の資格や、IT企業が認定する資格も同様だろう。例えばインフラ関連ではPaaS(Platform as a Service)の普及などの影響で、以前は不可欠だった技術を詳しく知らなくてもシステムを構築できるケースが増えている。その技術分野の資格は、価値が下がっていてもおかしくない。

 そこで、ITのプロフェッショナルにとって今本当に「いる資格」が何かをお尋ねしたい。あなたが「保有する資格」「資格によって得られた効果」「これから取得したい資格」などを聞く「IT資格実態調査」にぜひご協力いただきたい。調査の結果は後日お届けする。

アンケートは終了いたしました。ご協力ありがとうございました。