エンジニアの転職市場が活況を呈している。業界最大手のリクルートキャリアによると、2017年5月末のエンジニアの有効求人倍率(1人当たりの求人件数)は3.27倍と、前年同期の2.31倍から大きく跳ね上がった。背景にはエンジニアの需要増と人手不足があり、年収が倍増する転職組も現われている。

 例えば、外資系IT企業に2016年末に転職した鈴木健一氏(仮名、39歳)がそうだ。同氏の現在の仕事は、ネットワーク装置のセールスエンジニアである。「現在の年収は歩合給を含めて1600万円。それまでは800万円だったのが倍増した」。鈴木氏は笑顔で話す。同氏は、人材不足が深刻化している情報セキュリティに関する高いスキルを備えていることから、「転職で年収倍増」という果実を得た格好だ。

 売り手市場のエンジニアが“年収倍々ゲーム”を謳歌――。こんなケースは少なくない。山野大輔氏(仮名、33歳)は、クラウドサービスやIoT(Internet of Things)の分野に詳しいSEで、転職後の年収1400万円を稼ぐ。転職前の2倍弱の数字である。山野氏は、「システムインテグレータやITコンサルティングの大手は、優れたエンジニアの採用に積極的で、得意なITスキルが一つでもあれば、有利な条件で転職できる」と話す。

 優れたエンジニアの獲得競争は様々な業界で激しくなっている。自動車産業では自動運転車、製造業ではIoTサービス、建築・土木業界では「i-Construction(アイ・コンストラクション)」の実現に向けて、AI(人工知能)やIoT、ビッグデータ分析など先進技術に強い人材を求めている。

 当然のことながら先進技術に強い人材だけを集めても、革新的な製品・サービスを生み出すことはできない。企業にとっては、電子機器や自動車などといった製品の設計・企画・開発や、建築・住宅の計画・設計、維持管理などに詳しい技術者の確保もまた急務なのである。エンジニアの側からすれば、これまでの経歴を生かした「華麗なる転職」ができるチャンスは拡大しているともいえるだろう。

 エンジニアの流動化はどれくらいのスピードで進むのだろうか。今、エンジニアは転職についてどれだけ関心を持ち、何を思うのか――。こんな素朴な疑問を解消すべく、エンジニアを対象にアンケートを実施したいと考えた。

 およそ5分ぐらいで終わる簡単なアンケート「エンジニア転職意識調査」に是非、ご協力いただきたい。調査結果は7月中にも報告する予定である。

エンジニア転職意識調査の回答ページ