月末が近づくと、何となく憂うつな気分になる。月末締めで提出しなければならない社内書類が、複数あるからだ。中でも手間がかかるのが、経費精算である。

画面●スマートフォンアプリでICカードの利用履歴をチェック
画面●スマートフォンアプリでICカードの利用履歴をチェック
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 職業柄、日々様々な場所に取材に出かける。取材や打ち合わせで喫茶店を利用することもあるし、資料として書籍などを購入することもある。こうした経費を1カ月分まとめて処理すると、1時間ほどかかることも珍しくない。ICカード「PASMO」の乗車履歴をスマートフォンアプリで読み取って転記するなど手元でできる工夫はしているが、読み取れる件数には限りがある(画面)。

 タクシーや喫茶店などを利用した際は、紙の領収書ののり付けも必要だ。記者の場合それほど枚数は多くないものの、たまったレシートを掘り起こして一枚一枚台紙に貼り付けるのは煩雑な作業。少しでも多くの執筆時間を捻出したい締め切り前などは、特に負担に感じていた。

 同じような思いをしているビジネスパーソンは、たくさんいる。記事「領収書のり付けにサヨナラ、『スマホで経費精算』解禁へ」を執筆/公開したときに、それを実感した。

半数弱が自腹経験、平均は月額6477円

 この記事では、電子帳簿保存法の改正によって経費精算のペーパーレス化が進みそうだという話題をまとめた。読者としては経理担当者などを想定していたが、予想を大幅に超える方々に読んでいただいた。営業担当者など社外での活動が多い人には、財布にたまったレシートの束にうんざりしている人が多いのだろう。ソーシャルメディアなどでも「本当に経費精算は面倒」「早くなんとかしてほしい」といった声が多数見られた。

 先日公表された調査結果からも、経費精算がビジネスパーソンにとって負担になっている状況がうかがえた。クラウド型の経費管理サービスを手掛けるコンカーが2016年6月10日に発表した「サラリーマンの経費精算に関する実態調査」の結果によれば、会社員が毎月の経費精算作業にかけている時間は平均48分、経費を月額30万円以上使う人では175分に上るという(関連記事:「生涯で52日が経費精算に費やされている」、コンカーが調査結果発表)。