イーサネットの速度について、「1Gビットイーサネット(1GE)の次は?」と聞かれてどのように答えるだろうか。多くの人は「10Gビットイーサネット(10GE)」と答えるだろう。ところが、そうした「イーサネットの常識」が今、崩れつつある。

 1GEと10GEの間を埋めるべく、伝送速度2.5Gビット/秒の「2.5Gビットイーサネット」(2.5GE)と、5Gビット/秒の「5Gビットイーサネット」(5GE)が登場している。これらは総称して「マルチギガビットイーサネット」とも呼ばれる。米シスコシステムズが対応製品をいち早く製品化。6月10日〜12日に開催されたInterop Tokyo 2015でも実機を展示した(写真)。

写真●シスコシステムズのブースではマルチギガビット対応スイッチの新製品の動態デモが披露されていた
写真●シスコシステムズのブースではマルチギガビット対応スイッチの新製品の動態デモが披露されていた
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Wi-Fiの高速化に合わせてイーサネットが進化

 マルチギガビットイーサネットが開発された理由は、高速無線LAN規格「IEEE 802.11ac」の普及だ。11acの最大伝送速度6.9Gビット/秒。「マルチギガビット無線LAN」とも呼ばれる。

 今の11ac製品の主流は、最大伝送速度が1.3Gビット/秒以下の第1世代、いわゆる「Wave 1」と呼ばれるもの。この速度なら、アクセスポイントと上位のスイッチをつなぐ有線部分が1GEでもボトルネックとならない。

 だが、ここにきて11acの第2世代、「Wave 2」の製品が登場している。今発売されているWave 2製品は最大1.7Gビット/秒。既に1GEがボトルネックとなっている。今後、より高速なWave 2製品が登場すれば、有線部との速度差は広がるばかりだ。