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記者の眼

プログラマーではない人がプログラミングを学ぶのは無駄なのか

大森 敏行=日経NETWORK 2017/06/14 日経NETWORK

 個人が身に付けるべき技能として「プログラミング」が大きな注目を集めている。2020年からは小学校でのプログラミング教育が必修になる。プログラミング教育を大きな柱の一つに掲げたN高等学校(N高)も登場した。小中学生や高校生、あるいは社会人を対象にしたプログラミングスクールも盛んだ。

 意欲的な若手経営者の中にもプログラミングを学び始める人が出てきている。例えば、大手タクシー会社である日本交通の川鍋一朗会長や資産運用サービスを提供するウェルスナビの柴山和久CEOは、「TECH::CAMP」というスクールでプログラミングを学んだ。デジタルコンテンツサイト「cakes」「note」の運営を手掛けるピースオブケイクの加藤貞顕CEOは、Pythonによるディープラーニングの学習に取り組んでいるという(同氏のnoteの記事)。

 ただ、プログラミングをきちんと学ぼうとするとそれなりに大変だ。「自分はプログラマーになる気はないから、プログラミングは必要ない」と考える人は多いかもしれない。しかし、プログラマーでなくてもプログラミングを学ぶことで得られるメリットはある。

【メリットその1】作ってほしいものをきちんと伝えられる

 まず、プログラミングを学ぶことで、ソフトウエア開発者に自分の考えをきちんと伝えられるようになるというメリットだ。

 インターネットを見ていると「ソフトウエアの発注者に無茶な要求をされた」という嘆きをよく目にする。作るのが大変なソフトウエアを数日で作れと言われたり、既に開発が進んでいるシステムの仕様を途中で変更されたりといった具合だ。

 こうした要求が起こる原因は、ソフトウエアの開発を依頼する人が「プログラミングでできることとできないこと」あるいは「プログラミングにどれだけの労力が必要か」を理解していない点にある。無茶な要求をする人に悪気があるわけではないだろう。単に大変さを理解していないだけだ。

 ただ、これは結局は依頼者にとってもマイナスになる。無茶な要求は開発者のやる気を確実に奪う。やる気を失った開発者から優れたアウトプットが出てくることはない。開発スケジュールの面でも確実に悪影響が出る。最悪、いつまでたってもソフトウエアが完成しないといった事態になりかねない。こんなことを繰り返していては、自社のプログラマーであれば退職につながるだろうし、他社に開発を依頼しているのであれば「面倒な客だ」と取り引きを打ち切られてしまうかもしれない。

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