「米国でソフトウエア開発のチームに参加していたころ、『トライ&エラーは時間のムダだ。コンパイラーを一発で通るプログラムを書け』と言われた。時代は変わっても、確かにその通りだと思う。試行錯誤して作ってもロクなものができない。システム開発に限らず、ドキュメント作りなども同じだ」。

アクティブコアの山田賢治社長
アクティブコアの山田賢治社長
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 こう話すのは、マーケティング用クラウドサービスを提供するアクティブコアの山田賢治社長だ。

 2005年に設立した同社はWebログ分析に始まり、収益化に寄与するよう利用者が最初に訪問するWebページを改善するLPO(ランディングページ最適化)やレコメンドエンジン、様々なデータを収集・一元管理してマーケティングのアクションにつなげるDMP(デジタル・マーケティング・プラットフォーム)と、サービスを順次拡充。設立10年目となる2015年4月に、集大成となるクラウドサービス「activecore marketing cloud」の提供を開始した。

IBMやオラクルの製品に機能面では負けない

 activecore marketing cloudは、「マーケティングオートメーション」を支援するサービス。この分野は、IBMやオラクル、セールスフォース・ドットコム、アドビシステムズなど海外の大手IT企業がひしめく(関連記事:「マーケティングオートメーション」で成熟市場を開拓、製品・サービスの強化相次ぐ)。

 だが山田社長は、自らのサービスに自信を見せる。「ビジネスの規模でいうと大手との差は歴然」としながら、「製品・サービスのレベルは同じではないか。分析やレコメンドの機能なら、むしろ我々の方が上だと思う」と話す。

 自信の源は、山田社長が経営者であると同時に開発を担当している点にある。以前は全てのサービスを自ら開発していた。activecore marketing cloudでも「さすがに全てを開発する時間はなくなったが、コア部分は自分で開発した」。「開発の時間は夜にしか取れないが、今でもやりたいことがある」と、今も開発者としての顔をのぞかせる。