少し前に自宅のルーターの調子が悪くなり、スマートフォンからWi-Fiを介したインターネット接続ができなくなった。各種機器を再起動したり配線を確認したりしたものの状況は変わらなかったが、2~3日後、何事もなかったかのように復旧していた。その間、携帯電話回線を使ったデータ通信を多用せざるを得なかった。

 筆者はスマホでMVNO(仮想移動体通信事業者)のサービスを利用しているが、多くの携帯電話サービスと同様に1カ月間に使える通信容量が決まっている。ルーターが不調の間、使えるデータ量の消費がいつも以上に気になると同時に、スマホの利用は結構Wi-Fi接続頼みであることを実感した。

 これに限らず、携帯電話接続に頼らざるを得ないケースはある。出先で自分が接続可能なWi-Fiがないが、サイズの大きいファイルを受け取らなくてはならない、あるいは動画を視聴したくなった、といったケースだ。自宅に固定回線を持っていない人も当てはまるだろう。

100MBを超えるスマホアプリは普通

 上記の出来事を受けて、試しにスマホアプリのサイズを調べてみた。例えばiPhone用Excelのアプリサイズは208.1MBだった(iOS10.3.2を使用したiPhone 7 Plusの場合)。携帯電話回線でダウンロードすることを考えると、かなり大きいサイズではないかと思う。

iPhone用Excelアプリのサイズ
iPhone用Excelアプリのサイズ
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 スマートフォンアプリの調査・分析などを手掛けるApp Annieが、2017年4月にApp Storeにあるダウンロード数が多いiOS(iPhoneとiPad)アプリのサイズを調べた。その結果、「仕事効率化」カテゴリーにあるTOP20アプリの平均サイズは199MB。全アプリのうちTOP20の平均サイズは245MB。ゲームを除く全アプリのうちTOP20の平均サイズは176MBだったという。調査結果を聞き、改めてスマホアプリのサイズの大きさを感じた。

App Annieが調べたダウンロード数が多いiOSアプリの平均データサイズ
App Annieが調べたダウンロード数が多いiOSアプリの平均データサイズ
(出所:App Annie)
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 だがApp Annieに話を聞いてみると、通信量を考えるうえで重要なのは、スマホアプリのサイズ以外にもあるという。「例えば動画視聴やSNSなどのアプリは、インターネットからデータを取得しながら動作する」(日本・韓国カントリーディレクターの滝澤琢人氏)。確かに自分としても、動画配信サービスやゲームのアプリは、使い始めてからのコンテンツのダウンロード量が心配だ。