デジタルカメラの高画素化が止まらない。カメラメーカー各社が2015年から2016年にかけて発表したデジタル一眼レフは、2000万画素以上が中心で、なかには3000万画素を超える製品が存在する。スマートフォンが搭載するカメラの画素数も1000万画素超は当たり前で、2016年5月に発表されたソニーの最新スマートフォン「Xperia X Performance」は2300万画素のデジタルカメラを搭載する。
2300万画素と言われても、あまりピンとこないかもしれないが、撮影した画像の解像度は5520×4140ドットになる。Xperia X Performanceのディスプレイ解像度はフルHD(1920×1080ドット)なので、約9%に縮小して表示することになる。
スマートフォンの画面が小さいから、パソコンで大きく表示しようと考えても、一般的なパソコンのディスプレイの解像度もフルHDだ。画面サイズは大きくなるが、縮小表示していることに変わりはない。では最近話題の4Kディスプレイを使えば解決できるかというと難しい。4Kの解像度は3840×2160ドットとフルHDの4倍になるが、まだ足りない。結局、5520×4140ドットの画像を縮小せずに表示しようとすると、8Kディスプレイが必要になる(表1、図1)。8Kディスプレイは4Kディスプレイの4倍、フルHDの16倍になるが、現状は業務用の製品しかない。
機種名・規格 | iPhone 6s | Xperia X Performance | フルHD | 4K | 8K |
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画素数 | 1200万画素 | 2300万画素 | 207万画素 | 829万画素 | 3318万画素 |
解像度 (ドット) | 4032×3024 | 5520×4140 | 1920×1080 | 3840×2160 | 7680×4320 |
スマートフォン用デジタルカメラが高解像度である理由の一つとして、ズーム機能の代用というのがある。高解像度で撮影して画像の一部を切り取ってズームの代用にするのだ。そういった理由なら、高解像度であることもうなずける。
そこで気になるのが、デジタル一眼レフの解像度だ。高解像度競争が進んだためミッドレンジ製品で2000万画素超は一般的で、ハイエンド製品なら3000万画素を超える製品がある。スマートフォンと違ってズーム機能はあるし、必要ならレンズを交換して望遠レンズを付ければいい。一部を切り取って……といった言い訳はあり得ない。
ではどうやって、縮小表示せずに画像を確認したり鑑賞したりすればいいのか、疑問に思ったので、主なカメラメーカーが出展するカメラショー「CP+ 2016」(2016年2月25日から28日まで、パシフィコ横浜で開催)でこの件を取材してみた。そして、そのときの答えは「印刷してみてはいかがでしょう」だった。