人を変えるのは難しい。中でも自分自身を変えることが一番難しい。その難しいことをやってのけた人は一体どのように取り組んだのか。

 上司や同僚、部下が「変わった」と認めたSEの方々4人に、自分を変えた体験談を『変える!仕事を、組織を、そして自分を』と題して寄稿いただいたことがある(『「みんな厳しいな」、部下の辛口評価に愕然』、『「積年のテーマに道筋を付けて帰ってこい」』、『 「それって本当にベストな解決策?」と真剣に考える』)。

 4人はいずれも大手企業の情報システム関連会社に所属しているSEで、10数名の部下を持つ課長ないしチームリーダーもいる。情報システムを開発、運用、保守していくにあたって、品質の維持や若手の育成といった課題を抱えていた。

 一つの試みとして4人の体験談の中から「学んだ」「気付いた」「役に立った」と書かれた文章を抽出してみた。それらを見渡すと次の4つのテーマに分けられた。

●自分の姿に改めて気付く
●コミュニケーションに配慮する
●ロジックを考え抜く
●交渉のやり方を工夫する

 他人は他人、自分は自分であるとはいえ、他人の取り組みを参考にすることはできる。4つのテーマについて「自分を変えたSE」が何に取り組み、どう気付いたのか。それが分かる文章を抽出し、以下にまとめてみた。再掲にあたって文章の一部をこちらで編集している。