店舗にロボットを設置し、集客や販売促進につなげる動きが加速している。リアル店舗にITの力を持ち込むことで、アマゾン・ドット・コムなどのネット店舗に対抗しようという狙いがある。

 接客ロボットで注目を浴びているのが、2014年6月にソフトバンクロボティクス(発表当時はソフトバンクモバイル)が発表した人型ロボット「Pepper」だ(写真1)。

写真1●ソフトバンクロボティクスが開発した人型ロボット「Pepper」
写真1●ソフトバンクロボティクスが開発した人型ロボット「Pepper」
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 既に一部のソフトバンクショップでは Pepperを接客用途で設置している。日経コンピュータ2015年5月14日号でビジネス現場で活躍するロボットを紹介する特集を組んだ。特集内で使う写真撮影のため、カメラマンと一緒に東京駅の地下にあるソフトバンクショップに向かい、接客中のPepperを撮影した。

 撮影は平日の午前中に実施した。東京駅という土地柄か、旅行中の家族などが多かった。撮影を進めていると中国からの観光客と思われる集団がやってきて、スマートフォンのカメラでしきりにPepperを撮影し、大騒ぎしていた。筆者としては店舗に迷惑をかけないか、冷や汗をかきながらの撮影だった。

 撮影していて気が付いたのは、Pepperは女性や高齢者の方には好評だったということだ。どちらも積極的にPepperに話しかけ、会話を楽しんでいた。子供もPepperに興味を示すのは同じだが、Pepperが話しかけると泣いてしまうことが多かった。恐らくPepperが無表情のまま声を発したり、身振り手振りをしたりすることを不気味に感じたのではないかと思う。

 一方、30~50歳代の男性の場合、会話するよりもまず機能に目が行くのが面白かった。Pepperが話しかけても応えることなく、カメラやセンサーの位置を確かめている例が多かった。いずれにせよ、世間一般でPepperのような会話ができる人型ロボットに対する関心の高さを実感した。