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記者の眼

“クラウドのようなもの”に落とし穴、IT部門は価値を生めるか

森山 徹=日経SYSTEMS 2017/05/18 日経SYSTEMS

 この4月、9年間在籍した「日経コンピュータ」から「日経SYSTEMS」に移った。日経コンピュータに異動する前は日経SYSTEMSに所属していた。ややこしいが、9年ぶりに日経SYSTEMSに戻ってきたのだ。

 9年前はどんな記事を書いていたのか。社内システムで検索してみると、2008年4月号「どう選ぶ?仮想化製品」が引っかかった。日経SYSTEMSで書いた最後の記事だ。当時はサーバー仮想化が一大ブームを迎え、製品・技術情報が広く求められた。ハイパーバイザーだけでも、VMwareやHyper-V、XenやOracle VMなどが誌面をにぎわせている。

 「サーバー統合でコスト削減」。経営層にも分かりやすいシナリオに乗って、仮想化技術は多くの企業のオンプレミス(自社所有)環境に浸透していった。その後、仮想化したコンピュータリソースを在庫する「リソースプール」がもてはやされ、企業はプライベートクラウド構築を競った。2017年4月にガートナーが発表した調査によれば、日本でのプライベートクラウドの採用率は2012年が19.6%、2017年は24.7%と伸びている。

 ポータル画面でワンクリックすれば、すぐに必要なコンピュータリソースが手に入る。物理サーバーの調達プロセスを省いた仮想化技術はオンプレミス環境のインフラをはるかに使いやすく変えた、はずだ。

 ところが最近の取材でユーザーからもれた一言にハッとした。「仮想化って中途半端なんだよね」。声の主は、クラウドへの全面移行を進めるアデランス 情報システム部長の廣瀬拓生氏。日経コンピュータ 2017年4月27号「万能クラウド」の取材の席上だ。

 「仮想化」がもたらした功罪を考えてみたい。

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