最近では、Webサービスやスマートフォンアプリの話題に紛れて、パソコン用のフリーソフトはやや影が薄い。しかし、定番のスグレモノは広く利用されており、着実にアップデートされている。米マイクロソフトの「OneNote 2013」など、競合ソフトに対抗して無料化されている大手メーカー提供のフリーソフトもある。

 そもそも、フリーソフトにはいくつかのタイプがある(図1)。有料ソフトの機能限定版や試用版、体験版も無料という意味ではフリーソフトの範囲だ。これらの開発元は、利用者の一部が有料ソフトを購入することを期待している。基本的な機能をフリーソフトとして提供し、付加価値の高い機能を有料版として提供するタイプもある。いっとき流行語になった、いわゆる「フリーミアム」戦略だ。

 一方、完全無料だとそうはいかない。オープンソースとして公開され、有志がボランティアで開発しているタイプであっても、参加者同士が協調して作業を進めるためには、それなりの経費が必要になる。大口のスポンサーが付いたプロジェクトでなければ、募金だけでは資金不足になる。企業が開発元の場合も、なんらかの形でコストの回収を図りたいところだ。

図1●フリーソフトには、完全無料のものと有料ソフトの機能限定版という2タイプがある。そのほか、一定期間のみ無料で使える試用版や体験版もある
図1●フリーソフトには、完全無料のものと有料ソフトの機能限定版という2タイプがある。そのほか、一定期間のみ無料で使える試用版や体験版もある
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