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記者の眼

「個人データは自ら管理」vs「匿名加工」、データ活用や企業競争を促すのはどっち?

大豆生田 崇志=日経コンピュータ 2015/05/12 日経コンピュータ
図1●「Gocompare.com」のWebサイト
[画像のクリックで拡大表示]

 自分の銀行口座の取引履歴データを渡すと、他に最適な銀行はあるかどうかをアドバイスしてくれる。そんなサービスが英国で2015年3月にスタートした。保険などの料金比較サイトを運営するGocompare.comが、英国内向け新サービスとして提供を開始した(図1)。

 英国は消費者が許諾した個人データを活用して、企業競争を促しながら新たなサービスを生み出そうとしている。2011年から政府主導で、企業が集めた取引履歴などの個人データに消費者が自由にアクセスできる「midata(マイデータ)」というプロジェクトを進めているのだ。

 midataにより、銀行口座やクレジットカード、携帯電話などのユーザーは、自らの利用履歴データをダウンロードして、Gocompare.comなどにデータを提供すると、最適なサービスを提案してもらえる。企業が個人データを収集する従来のレコメンドサービスなどと異なり、消費者が自らのデータを誰に提供するかを決める仕組みだ。

 海外ではmidataのように、消費者の同意が簡単に得られる環境を整備して個人データの活用を促す取り組みが広がっている。しかもmidataのような取り組みを後押ししているのは、ファイナンス(金融)とテクノロジー(技術)を組み合わせて新サービスを生み出す「FinTech(フィンテック)」である。

 一方、日本では個人情報保護法の改正によって、企業が持つ個人データを「匿名加工情報」にすれば、消費者の同意がなくても活用できるという法的枠組みを世界で初めて導入しようとしている。日本の場合もデータ活用を促す狙いは同じだ。しかし消費者の同意を前提とするかしないのかという点で、全く対照的なアプローチといえる。データ活用に大きな格差を生む恐れもある。

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