ソーシャルという言葉が冠されたインターネット上の場所には、あまり立ち入りたくない。面白いやり取りや知り合いの投稿があり、あれこれ読んでいると仕事が滞るからだ。だが、そうした場所を通じて連絡してくる人があり返事を書いていると次々に流れてくる投稿が目に入ってしまう。

 最近興味深く読んだやり取りは、いずれもITの仕事にこれから就くあるいは就いたばかりの若手の投稿に諸先輩が助言や苦言を呈したものであった。と言っても、流れてきた投稿やそこで引用されていた元の投稿をざっと眺めた程度で、熟読したわけではない。メモも取っておらず、うろ覚えのまま書くと次の話が印象に残っている。

●大手コンピュータメーカーに入社し、大学で取り組んできた分野の仕事を希望したにもかかわらず、COBOLを使う職場に配属され、結局退社した。
●セキュリティエンジニアを将来の夢にしている。大学に行くべきか、専門学校に行ったほうがよいのか。
●プログラミングをすれば自分一人でサービスを開発できる。大学には行かず米国で起業しようと思う。

 いずれも10代20代でやりたいことを見つけており、それにできるだけ早く取り組める道を選ぼうとしている。こうした若手は他にもいるだろうから、3人についてではなく「やりたいことを決めている若手一般」について考えてみた。

 やりたい分野や取り組みたい技術がはっきりしている。良いことである。ただし希望が明確であればあるほど、希望以外の分野で仕事をしたり、やりたいこと以外も含む勉強を数年間したりするのは遠回りだと考えるようになる。先輩からすると「若い時に色々な経験を積み、器量の幅を広げておいたほうがよい」と助言したくなる。