写真1●オープンカフェになった浅草「六区ブロードウェイ商店街」の様子。路上に設置したステージのパフォーマンスでにぎわう(2016年4月16日)
写真1●オープンカフェになった浅草「六区ブロードウェイ商店街」の様子。路上に設置したステージのパフォーマンスでにぎわう(2016年4月16日)
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 2016年4月16日、東京都台東区浅草の「六区ブロードウェイ商店街」の路上で「国家戦略特区事業認定へ向けた社会実験開始会見~浅草六区再生プロジェクト~」と題する記者会見が行われた。

 このプロジェクトは地元台東区や六区ブロードウェイ商店街振興組合などが主体となり、地区の目抜き通りの道路を占有してオープンカフェ化するものだ(写真1)。

 本来は、道路法に基づき道路空間にベンチなどを設置して占有するには行政の許可が必要。継続的な道路使用は認められない。浅草六区は、今春と秋に一時的に道路を占有する社会実験を行い、2017年以降に「国家戦略特区」の事業認定を受けて道路占有規制を緩和してもらうことを狙う。

都内随一の興行街を“再生”

 筆者は後述する訪日外国人(インバウンド)向け公衆無線LAN(Wi-Fi)サービスを取材するために浅草六区へ足を運んだのだが、このプロジェクト自体にも興味を持った。外国人や日本全国の観光客で十分にぎわっている浅草で、なぜ「再生プロジェクト」なのかという素朴な疑問を持った。

写真2●浅草のランドマークである浅草寺の「雷門」
写真2●浅草のランドマークである浅草寺の「雷門」
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 一大観光スポットである浅草では、雷門から仲見世通りを通って浅草寺を参拝するのが定番のコースだ(写真2、関連記事:爆買いバス:ネットで集客、移動の足もセットで)。六区ブロードウェイ商店街はこの定番コースから西側にやや外れた場所にある。東武・地下鉄の浅草駅からは10分近く歩く。つくばエクスプレスの浅草駅からは至近距離にあるものの、やや人通りから外れた立地だ。

 浅草六区(浅草公園六区)は、浅草寺の寺有地に造成された繁華街で、今も浅草寺が地権者である。成立は1883年(明治16年)にさかのぼる。その後1886年10月に最初の劇場「常盤座」が開場したことから、2016年を「浅草六区誕生130周年」としている。