システム開発プロジェクトの「質」が大きく変わってきている。増えたのは、イノベーション創造型、新技術前提型、超高速型と呼ばれる案件だ。イノベーション創造型は収益向上や顧客開拓などにつながる案件。新技術前提型はIoTや人工知能、クラウドといった新技術の活用を前提とした案件。超高速型は「爆速」と呼ばれる極めて短い納期の案件である。

 時代とともにプロジェクトの質が変わるのは当然だ。しかし問題は、従来のPMBOK(Project Management Body Of Knowledge)のような「モダンPM(プロジェクトマネジメント)」が適用できなくなってきたこと。こうした難関プロジェクトには、ポスト「モダンPM」が不可欠である。

 では、難関プロジェクトに効くポスト「モダンPM」とは何か。日経SYSTEMSの2016年5月号ではこのテーマを取り上げた。最も大きなポイントは「変化への対応」である。そもそもPMBOKは変化に柔軟に対応しにくい“計画ありき”の考え方に基づいている。

 そこで以下では、筆者が取材した中から、現場のプロジェクトマネジャーが実践するポスト「モダンPM」の例を二つ紹介しよう。