私事で恐縮だが、先日家族で金沢に一泊の旅行に行った。お目当ては、開業間もない北陸新幹線(写真1)。小学2年生の息子は“乗り鉄”で、初の新幹線体験に大喜びだった。

 新幹線を初めとして、電車には“顔”がある。例えば電車を背景に記念撮影するなら、先頭車両と一緒に撮るのが普通だろう。先頭車両にある顔が、電車を特徴付けているからだ。当然、我々もそこで記念撮影をした。

写真1●北陸新幹線「かがやき」
写真1●北陸新幹線「かがやき」
このアタマの部分に特徴があるのは、通信ネットワークでも同じだ。
[画像のクリックで拡大表示]

 このアタマの部分に特徴があるのは、通信ネットワークでも同じだ。電車は反対方向にも進むので、最後尾にも同じ顔があるが、通信ネットワークではあまり最後尾に付与する制御情報はない点が少々異なる。

 通信ネットワークにおけるアタマは、プロトコルヘッダーだ。通信ネットワークでは、一般的に「パケット」という単位に分割してデータを送る。そのパケットは、データそのものである「ペイロード」と、前述のヘッダーから成り立っている。したがってヘッダーには、それぞれのプロトコルの制御に必要な情報が盛り込まれている。ネットワークが何をしているかを知りたければ、ヘッダーについて勉強するのは意外に効率がよい方法なのだ。

 ただ、ヘッダーの構造を漠然と眺めていても、あまり面白くない。無味乾燥なハコが複雑に並んでいるだけだからだ。また、プロトコルの階層構造がこれだけだとまったく感じ取れないという欠点もある。