DBMSを正面から取り上げた特集を約10年ぶりに日経SYSTEMS(2015年5月号の特集1)で組んだ。クラウド、ビッグデータというキーワードがITのあり方を大きく変える中、「業務系でデータベースといえばRDBMS」という固定観念にヒビが入っているはずとのヨミでスタートさせた企画だ。脱RDBMSやHadoop活用といった取り組みから、いろいろな“新常識”が生まれているだろうと考えたのである。

 記事の冒頭に、ITエンジニアが今、これはちょっと気になるぞと思うDBMS関連のトピックスを置きたい。何がいいだろうか。頭をひねって、あれやこれやと、選択肢を挙げてみた。その中から選んだのは、1000社以上に採用されて盤石ともいえる地盤を築いているのに、自己否定してゼロからERPパッケージを作り直した、ワークスアプリケーションズの取り組み。このネタを選んだのは、自分が今、最も知りたいことだったからだ。いったい何を知りたかったのか、そしてその答えは何だったのかを説明する。

 本題に入る前に、同社の現行製品である「COMPANYシリーズ」にごく簡単に触れておく。この「COMPANYシリーズ」は、RDBMSの代表製品であるOracleに依存したアーキテクチャーを採用(一部製品ではIBM DB2にも対応)しているERPソフトだ。パッケージとして販売し、オンプレミス形態で使われるほか、クラウド上でサービスとしても提供している。