「資金を集められない」が1番目、「集まった人の間で意思疎通がうまくできない」が僅差の2番目。3410人が回答した調査で「プロジェクトの課題」を尋ねた結果である。

 世代別の回答を見ると、若手の世代は「集まった人の間で意思疎通がうまくできない」を、年輩の世代は「資金を集められない」を、それぞれ課題の1番目に選んだ。男女を比較すると女性のほうが複数の課題を挙げていた。

 本調査『「働くこと」に関するアンケート』は15歳~69歳の男女3410人を対象に2014年9月26日~28日、インターネットを使って実施した。回答者3410人の内訳は「15歳(高校生以上)~19歳」「20歳~24歳」から「60歳~64歳」「65歳~69歳」までの11世代の男女155人ずつである。

 調査の目的は働き方の変化に注目して日本のイノベーションの可能性を明らかにすること。日経BPビジョナリー経営研究所と日経BPイノベーションICT研究所が企画し、日経BPコンサルティングが調査した。

 つまり働き方に関する意識調査であり、ここでいう「プロジェクト」は情報システムを開発するそれとは限らない。

プロジェクトワークは今後増えるのか

 プロジェクトやコミュニティに関わる働き方が今後増えていく。働き方の変化についてこういう仮説がある。本調査の回答者に対し、プロジェクトとコミュニティを以下のように説明した。

●新しい形の「働く場」が注目されている。一つは一定期間だけ活動する場(「プロジェクト」と呼ぶ)、もう一つは複数の組織や個人が連携して活動する場(「コミュニティ」と呼ぶ)である。
●多種多様なプロジェクトやコミュニティが登場している。例えば新商品の開発、販売促進あるいは地域の行事、地元の施設の改善など。
●プロジェクトやコミュニティの活動目的に貢献できる人であれば職業や立場にかかわらず参加することができる。

 新商品の開発や販売促進とあるように、勤務先の業務をプロジェクトやコミュニティを介して進める場合もあれば、勤務先とは関係ない地域の活動などに参加する場合もある。