やってはいけないことを自慢げにSNSなどに書き込んで、盛大に「炎上」する(あちこちで批判的な取り上げ方をされる)事例が後を絶たない。話題作りを狙っている場合はともかくとして、炎上事例はインターネットの基本的な仕組みや影響度合いの理解不足が原因であることが多い(そもそもそういうことをしなければよい、というのは別の話)。

 最近筆者が難しさを感じているのが、子どもにインターネットをどう使わせるかだ。筆者の家庭では、子どもが小学校高学年になったあたりから、子どもやその親を通じて子どもたちが起こした「ネットの事件」を耳にするようになった。SNSで暴言を吐いてアカウントを停止されても別アカウントを取得して繰り返す、オープンな掲示板に半ば特定できる形で書き込みする、「不適切な画像」を送る、などだ。

 筆者の子どもの周辺に限って言えば、中学校へ進学するタイミングと前後して、子どもにスマートフォンを買い与える親が多くなり、クラスのコミュニケーションのプラットフォームが完全に「LINE」へ移行。学校の時間外では、グループ内で1時間に700通を超えるメッセージがやり取りされるようになったという。早朝から深夜まで、ネットしか使っていないような状態だ。それに合わせて、SNS特有のトラブルも増えていったようだ。

 今どきだとどれもありふれた出来事ではあるものの、親が知ったらそのまま放っておくわけにもいかない案件ばかり。ただ、様々な話を聞いているうちに感じたのは、子どもはともかくとしてインターネットの「常識」についてあまり知らない親も多いこと。親にある程度知識がなければ、子どもに適切なリテラシーを身に付けさせることは難しい。

 そこで今回は、自分自身の考えを整理するためにも、これくらいは知っていないと危ない、といったインターネット利用の基本を絞り込んでまとめてみた。ITproの読者にとっては当たり前のことばかりであるが、子どもだけでなく自分の身内や新入社員にとっては常識ではないかもしれない。

「誰がアクセスしたか」の証拠が残る

 通常は、デバイスからアクセスしたサーバーには、アクセスログとしてアクセス元のIPアドレスが残る。プロバイダーは、そのIPアドレスをどの契約者に割り当てたかを管理している。一般ユーザーは通常こうしたログは見られないが、事件が起これば話は別。犯罪につながるような書き込みだと、警察が動いてすぐに身元が分かってしまう。