今やどの企業でも働き方改革が急務になっている。会社によっては働き方改革のプロジェクトチームが立ち上がったところもあるだろう。読者のなかにはプロジェクトチームのリーダーに指名されたり、メンバーに加わったりした人もいるかもしれない。

 そうした人たちが必ずぶつかる壁がある。社内の抵抗勢力だ。働き方改革に限らず、業務改革などの変革を社内で起こそうとすれば、抵抗は必ず発生する。

 抵抗する理由は人それぞれ、様々である。ただ、一つ確実に言えるのは「人は(本能的に)変化を嫌う」ということ。だから抵抗勢力が生まれるのは、当然といえる。

 先日、これまで数々の働き方改革や業務改革を支援してきた変革のプロである、ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズの榊巻亮氏と「変革の抵抗勢力」について、話し合う機会があった。そこで榊巻氏が語った二つの言葉に、筆者は非常に納得できた。

ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズの榊巻亮氏
ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズの榊巻亮氏
撮影:村田 和聡
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 一つは「人が変化(変革)に抵抗するのは、その人の考え方や性格の問題ではなく、人間の生理現象だ。防衛本能と言ってもよい。最初からそういうものだと分かってさえいれば、感情的にならず、冷静に対処できる」というもの。

 もう一つは「自分が変革を推進する側の立場になると、推進側が“正義”であり、『抵抗する側が悪い』と捉えてしまいがち。だが実際にはそうではない。抵抗する側には抵抗する側の正義があり、論理がある」というものだ。