2015年は「IoT元年」と呼ばれる。米ラスベガスで開催された「2015 International CES」(CES2015)でも、テレビや自動車のスマート化が大きな注目を集めた(関連記事:第1回 IoT時代到来、テレビや自動車のスマート化が見えてきた)。

 IoT(Internet of Things:モノのインターネット)とは、モノがネットワークに接続されることにより生まれる新たな価値や、センサーやスマートフォンなどの端末から収集したデータを活用したり、ネットワークに接続されたモノを制御したりすることで生み出されるサービスを表す。

 IoTという言葉自体は数年前からあった。製造業では機器や設備に取り付けたセンサーから、稼働データをネット経由でクラウドサービスなどに収集し、運用や保守に生かすといった取り組みが始まっている。2015年の特徴は家電や自動車といった身近なモノにおいても、ネット経由で情報を収集したり遠隔制御したりする仕組みが整ってきた点だ。

 4月には米アップルが腕時計型ウエアラブル端末「Apple Watch」を発売する。心拍センサーなどの生体センサーを内蔵しており、健康関連などで対応アプリが登場すれば、IoTの普及はさらに加速しそうだ。

セキュリティの課題は深刻

 一方で、IoT時代ならではの問題もある。センサーが収集する情報の漏えいや、各種機器を制御するシステムが第三者に乗っ取られるといったセキュリティリスクだ。特に後者は人と触れる可能性があるモノがサイバー攻撃の対象となるため、これまで以上に深刻な被害につながりやすい。

 筆者は先日、IoTの将来像に関するセミナーに参加した。NTTデータが2015年3月30日に実施したもので、4月にリニューアルオープン予定のIoTをテーマにしたショールームで、IoTの最新動向や課題について説明していた。

 NTTデータ 技術開発本部 サービスイノベーションセンタの風間博之センタ長は、端末を例にIoTの将来像を説明した。風間氏によると、ウエアラブルの先には「インプラント」「アンビエント」といった世界が待っているという(写真1)。

写真1●NTTデータ 技術開発本部 サービスイノベーションセンタの風間博之センタ長
写真1●NTTデータ 技術開発本部 サービスイノベーションセンタの風間博之センタ長
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