ここ数カ月、きれいなオフィスへの取材が相次いだ。2016年3月29日に発売予定の日経情報ストラテジーの特集記事で、企業の研究開発拠点のワークスタイル変革を紹介するためだ。この記事では、コニカミノルタ、サントリー、ダイキン工業、キユーピー、ピジョン、アシックス、ノエビアの研究開発拠点での働き方変革を取り上げる。

 訪問して「ここで働いてみたい」と思ったオフィスの1つが、「サントリー ワールド リサーチセンター」。京都府精華町の関西文化学術研究都市に、サントリーグループが2015年5月に新設した。関西エリアの3カ所に分散していたサントリーグループの研究開発拠点を集約。400人の研究員が活動している。

●サントリー ワールド リサーチセンターの内部(写真撮影:太田 未来子)
[画像のクリックで拡大表示]
●サントリー ワールド リサーチセンターの内部(写真撮影:太田 未来子)

 研究施設といえば「たくさんの研究室がずらっと並び、研究員は各部屋にこもりっぱなし」というイメージを記者は持っていた。ところがここは違った。1階のエントランスから最上階の4階まで、実験室と会議室以外はすべてつながった空間になっていた。そのなかで、白い制服を着た研究員たちが思い思いの場所で仕事を進めていた。

●センター内での研究者の持ち物(写真撮影:太田 未来子)
[画像のクリックで拡大表示]
●センター内での研究者の持ち物(写真撮影:太田 未来子)

 しかも彼らの持ち物はとてもシンプル。日本マイクロソフトのSurfaceと、内線電話として利用できるiPhone、書類などを入れる手提げかばんだけだ。全館無線LANが利用できるようにしていて、席はフリーアドレス。「実験に専念する日は実験室のそば」「会議が多い日は会議室近く」など、働く場を自由に設定できる。