優秀なエンジニアは便利なツールを見つけるのが上手――。長年ネットワークエンジニアを取材してきて、こう思うことが何度かあった。便利なツールとは、使いこなすのに知識が必要な小難しいものとは限らない。実は、よく見かける一般的なものだったりもする。
先日、イベント会場などでのネットワーク構築を手掛けるエンジニアの団体「CONBU(Conference Network Builders)」のメンバーに、お気に入りのツールについて取材した。ここでいうツールとはネットワーク構築で使う「道具」である。CONBUのメンバーは普段それぞれの仕事をこなし、イベント時には材料費など実費のみで、カンファレンスやイベント会場のネットワークを構築している。インフルエンザが大流行していた時期にもかかわらず、9人ものメンバーが取材のために集まってくれた。
メンバーがオススメするツールはたくさんあるが、中でも「これは便利」と評価が高かったものをいくつか紹介しよう。
会場でのスタッフ同士の連絡に便利なのが「トランシーバーアプリ」。メンバーが使っているのは「Zello Walkie Talkie」というアプリだ。自分が発言したいときはアプリのボタンを押して話す。このような方式は「Push To Talk」と呼ばれている。発言中の声は全員に届くので、イヤホンを装着しておけば常に情報を得られる。
以前はハードウエアのトランシーバーを使っていたが、コストの点から全員には配布できなかった。トランシーバーアプリなら無料で全員が利用できる。「情報を瞬時にスタッフ全員で共有できるのがよい」とメンバーは話す。