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記者の眼

未来のウエアラブル体験、アバターで試作機検証する時代は間近

山端 宏実=日経情報ストラテジー 2015/02/27 日経情報ストラテジー

 2015年1月22日、筆者は日産自動車本社の目と鼻の先にある、横浜・みなとみらいの富士ゼロックスR&Dスクエアを訪れた。日経情報ストラテジー2015年4月号の特集取材で、富士ゼロックスが実践する「DDI(デジタル・デザイン・インプルーブメント、仮想品質点検)」の現場に同席するためだ。

 DDIとは、試作機ができる前の段階で、デジタル複合機の使い勝手や保守のしやすさ、安全性などを評価する取り組みを指す。富士ゼロックスの広報担当者からはDDIについて、事前に口頭で説明を受けていたが、正直よく分かっていなかった。「現場に実機がないのに、どうやって複合機に詰まった紙の取り出しやすさなどを検証するんだ」と、素朴な疑問を抱えていた。

 取材に同席してくれる担当者の案内でセキュリティーゲートをくぐり、エレベーターでR&Dスクエアの10階に向かった。10階は通常、富士ゼロックスの社員以外は立ち入ることができないフロアだという。エレベーターを降り、広々とした通路を進むと、担当者に「ここです」と入室を促された。外から見ると、何の変哲もない普通の会議室である。

オフィス環境まで忠実に再現

 部屋に入ると、140インチある大型ディスプレーとテレビ会議システムが目に入った。それはそれで驚きだが、大型ディスプレーがあること以外、やはり普通の会議室と何ら変わりないように思える。これからどうやって、複合機の評価するのかイメージできない。実機は部屋のどこにも見当たらない。

 取材に応じてくれたのは、プロフェッショナル・アドバイザー部兼プロセスイノベーション部の坂田英昭マネジャーと、Pi(プロセスイノベーション部)兼HID(ヒューマンインターフェイスデザイン)開発部の中島康徳氏の2人。あいさつもそこそこに早速、本題に入ろうとすると、中島氏から「話を聞く前に、まずは記者さんが実際にDDIを体験した方がイメージが湧きやすいはずです。やってみませんか」と誘われた。

 「確かにその通り」と思い、ここは遠慮せずにお願いすることにした。

 中島氏に手渡されたのが、HMD(ヘッドマウントディスプレー)に似たウエアラブル端末。これを筆者の頭のサイズに調節して装着し、大型ディスプレーの前に立つように促された。すると、ディスプレーに本物そっくりの複合機が現れた(写真)。

写真●筆者がウエアラブル端末を実際にかぶり、「DDI(仮想品質点検)」を体験している様子(写真:北山 宏一)
[画像のクリックで拡大表示]

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