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記者の眼

グロースハッカーのすごい効果と広がる誤解

中川 ヒロミ=出版局 2015/02/19 ITpro

 グロースハッカーという言葉はこの数年で、インターネット業界を中心に浸透してきた。TwitterやFacebookなど指数関数的にユーザーを伸ばしているシリコンバレーの急成長企業が駆使している手法とあって、ネット企業が取り入れたくなるのは当然だろう。

 日本でも、「グロースハッカー募集」といった求人が増えたり、グロースハックの勉強会もよく開催されたりするようになってきた。筆者は、1年半前に『グロースハッカー』という書籍の編集を担当し、このたびバージョンアップした『グロースハッカー第2版』も担当したので、グロースハッカーの浸透をとてもうれしく思う。

 今回は、改めてグロースハッカーとは何者なのかということと、ブームのように取り上げられたために一部で広がったグロースハッカーをめぐる誤解について考えていきたい。

グロースハッカーは「科学的」にユーザーを増やす

グロースハッカーとは、簡単に言えば「急成長請負人」だ。『グロースハッカー第2版』ではこう定義している。

 グロースハッカーは、伝統的なマーケティング戦略を放棄し、検証・追跡・測定が可能なものだけを用いる。彼らの武器は、CMや宣伝や資金ではなく、電子メール、PPC(ペイパークリック)、ブログ、プラットフォームAPI(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)だ。古い世代のマーケターが“ブランディング”や“マインドシェア”などの漠然としたものを追い回している間、グロースハッカーはひたすらユーザーと成長とを追跡する。そして、戦略が当たればユーザーがユーザーを引き込む連鎖反応が生まれる。グロースハッカーとは、自立し、自己増殖する成長マシンの発明者であり、オペレーターであり、整備士だ。この成長マシンが新興企業を成功に導くのだ。

――『グロースハッカー第2版』 イントロダクションより

 ここに書かれているように、グロースハッカーはA/Bテストなどから実際にユーザーの反応を測定する。ユーザーがクリックしたり、登録したりしたくなる効果のあるデザイン、機能、キャッチコピーを検証して採用する。そうして、確実に効果がある施策を使って、やみくもにお金をかけることなく、科学的にユーザー数を伸ばすという画期的なマーケティング手法なのだ。

 かつてのように、机の前でマーケターがキャッチコピーを考えて、悩み、一つに絞ってWebサイトやメルマガ、広告に掲載して終わりというのではない。嗜好がどんどん変わるユーザーがどんなコピーを好むのか仮説を立て、結果を検証し、その結果を次に生かしていくのである。

 ただし、「グロースハッカー」や「グロースハック」という言葉がバズワードのように話題になった結果、最近ではA/Bテストばかりに打ち込んで効果が出なかったり、費用をかけてはいけないと思い込んだりするようなケースも出ているようだ。

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