「人工知能少女を育てて、ゲームキャラクターにしよう!」。昨年末、こんな気になる言葉がネット上で話題になった。これは、バンダイナムコエンターテインメントが2016年10月に発売したゲームシリーズ「ソードアート・オンライン」の企画だ。ゲーム中の「プレミア」という人工知能(AI)の少女キャラクターに言葉を教えて育て上げ、ゲームの中で遊べるようにするといった試みだ。

バンダイナムコエンターテインメントが2016年10月に発売したゲームシリーズ「ソードアート・オンライン」の人工知能(AI)の少女キャラクター「プレミア」
バンダイナムコエンターテインメントが2016年10月に発売したゲームシリーズ「ソードアート・オンライン」の人工知能(AI)の少女キャラクター「プレミア」
(出所:バンダイナムコエンターテインメント)
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 複数のユーザーが1カ月半の期間、Twitterの対話などを通じてプレミアを育て、“人格”を形成していった。結果的には、ユーザーたちの「悪意のある言葉」を多く学習してしまったため、プレミアは当初期待していたような“良い子”には育たなかったようだ。しかし、人とのやり取りを通じてAIを賢くしていく取り組み自体は、色々な用途に応用できる可能性がある。

 自然言語処理AIに言葉を教えることで、その機能を強化していく取り組みは他にも数多くある。既に恋愛相談アプリでは、AIに言語や感情を認識させる取り組みがビジネスとして始まっている。NTTレゾナントの「教えて!Goo」や、ヤフーの「Yahoo! 知恵袋」といったQ&Aサイトでは、恋愛相談を通じてより自然な会話や人の感情をAIに学習させ、将来的にコールセンターや旅行紹介サイト、育児・介護現場などへビジネス展開する狙いがあるという。