ビールをぐいっと飲み干す。お代わりを頼もうと思っても、周囲に店員が見当たらない。店員が来るのを待ちながら話をしていると、時がどんどん過ぎていく。ようやく姿を見せた店員を呼び止めようと声を掛けても、気付いてもらえない――。
こんな経験は誰にでもある。人手不足が深刻になれば、店員を待つ時間は、もっと長くなる可能性がある。
こうした身の回りにちょっとした困り事でも、IoT(インターネット・オブ・シングズ)を活用するのは一つの解決策だ。最近は、「Raspberry Pi」のような小型のマイコンボードを使って、簡単にIoTシステムを作れるようになってきた。
ここで紹介する「残量お知らせビアジョッキ」は、まさにそんな技術の一つ。開発したのは、京セラだ。
このビアジョッキは一見普通だが、底をよく見ると、緑色のカバーが取り付けてあるのが分かる。このジョッキと、専用のアプリをインストールしたタブレットと組み合わせて使用する。
ジョッキに注がれたビールを徐々に飲んでいく。ビールが減っていくと、その情報がAndroidタブレットに送信される仕組みだ。残量が少なくなったら、アプリ内のキャラクターがお代わりを勧める。