2015年度の政府予算案が、1月14日に閣議決定された。いよいよ10月から住民への「個人番号」の付番・通知が始まるマイナンバー制度に関しては、主要な項目の合計が1183億円となった。2014年度当初予算でも約1000億円を計上しており、2年間で2000億円超を投じることになる。

 2015年度政府予算案での府省別の主なマイナンバー制度関連費用の内訳は、次の通りである。[カッコ内は2014年度当初予算額]

内閣府制度の啓発・広報4.7億円(2億円)
内閣官房情報提供ネットワークシステムと
マイ・ポータルの開発
62.5億円(133.7億円)
総務省制度の導入、個人番号カードの利活用促進639.9億円(348.8億円)
厚生労働省制度導入のための取り組み441億円(403億円)
財務省制度の導入に向けた準備35.4億円(13.5億円)

 これまでマイナンバー制度導入のための政府予算は、研究会の運営などのごく一部を除いて、ほぼ全額が情報システムの開発・改修に充てられてきた。今回の2015年度予算案でも、システムの開発・改修には合計で約680億円を振り向けるが、システム開発・改修とは別に480億円超を注入する分野がある。総務省が計上した「個人番号カードの発行等の実施」のための事業経費である。前年度の2.2億円から大幅に増額された。

個人番号カードを無料交付するための事業費を計上

 マイナンバー(個人番号)の通知は、地方共同法人である地方公共団体情報システム機構(J-LIS)が市町村から委託を受けて、10月から「通知カード」を簡易書留で世帯単位に郵送することで実施する。

 通知カードは紙製で、券面には氏名、住所、生年月日、性別(基本4情報)とマイナンバーが記載される。希望者は、同封される「個人番号カード交付申請書」を利用して、ICチップを内蔵し顔写真が表示されたプラスチック製の「個人番号カード」の交付を2017年1月以降に受けられることになっている。総務省は、全住民の通知カードと個人番号カード交付申請書を作成し、約5400万世帯に発送する事業費として267億円を計上した。