無線LAN市場では今、「クラウド管理型無線LAN」が熱い。

 クラウド管理型無線LANとは、無線LANアクセスポイント(AP)の管理機能をクラウドでSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)として提供する製品のことだ。米シスコシステムズが買収した米メラキや、米エアロハイブといったベンダーが2008年頃から製品の本格的な提供を始めた。ここ数年、そのほかの無線LANベンダーが追従する形で続々と製品を投入しており、国内でも競争が激しくなってきた。

 高価な単体のコントローラーを購入・運用しなくて済む手軽さや、複雑な設計が不要な点、APの不調や故障時の対応の容易さといった特徴が評価され、導入企業が増えている(図1)。

図1●クラウド管理型無線LANの概要(日経NETWORK 2015年12月号から抜粋)
図1●クラウド管理型無線LANの概要(日経NETWORK 2015年12月号から抜粋)
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 国内ではまだまだ馴染みが薄いクラウド管理型無線LANだが、米国では中小企業や小売業などたくさんの店舗を持つ企業を中心に、急速に普及が進んでいる。

 無線LANというと、とにかく管理が難しい通信インフラ。これから無線LANを導入する企業は、まずはクラウド管理型を第一の選択肢とすべきだ。

 なぜ、筆者がこう言い切るかを説明する前にまず、次のグラフを見ていただきたい。