2015年7月15日(日本時間)に延長サポートが終了するWindows Server 2003。2014年12月4日に調査会社のIDCジャパンが発表した調査結果によると、Windows Server 2003かそれ以前のバージョンを採用するx86サーバーの設置台数は、2014年末時点で21万台になる見込みという(関連記事:Windows Server 2003採用x86サーバーの設置台数、2014年末に21万台に、IDCが予測)。2013年末の36万4000台から約15万台減少しているが、国内のWindows採用x86サーバー全体に占める割合は13.1%と、決して小さい数字ではない。

 さらに驚いたのは、新しいバージョンのOSへの移行や、リスク低減策の必要性を感じていないIT管理者が一定層いることだ。企業ユーザーが多いサーバーの場合、IT管理者がしかるべき対策を施していると考えていた。ところが、トレンドマイクロの調査結果を見ると、必ずしもそうではないことが分かった。

 2014年4月9日(日本時間)に延長サポートが終了したWindows XPは、移行問題が大きな注目を集めた。PCに比べてサーバーの場合、移行作業にかかる時間は長くなりがちだ。日本マイクロソフトによると「サーバーの棚卸しなどの作業は予想以上に時間がかかる。連携するシステムとの動作確認など考慮すべき点も多い。ある大手金融機関の場合、大規模アプリケーションがあったために移行完了までに1年半かかった」という。

 延長サポート終了まで半年を切っており、これから移行に取り組み始めるとなると時間的には非常に厳しいだろう。もちろん、既に2015年7月に合わせて移行計画を進めているのであれば問題ない。

 しかし、2015年1月15日にトレンドマイクロが発表した調査結果によると、現在Windows Server 2003を利用している企業のIT管理者の約半数が、延長サポート終了後も継続利用する予定だと回答していた(関連記事:Windows Server 2003利用調査、サポート終了後も約半数が継続予定写真1)。

写真1●勤務先で利用しているWindows Server 2003の移行完了の予定時期
写真1●勤務先で利用しているWindows Server 2003の移行完了の予定時期
出典:トレンドマイクロ「企業におけるWindows Server 2003利用実態調査」(以下同じ)
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