拠点間接続を実現するWANの構築や運用を簡単にする「SD-WAN(Software-Defined Wide Area Network)」という技術が注目を集めている。ブレイクするのだろうか。

 SD-WANとは、ネットワークを柔軟に変更できる技術である「SDN(Software-Defined Networking)」をWANに適用したものだ。ユーザーは、通信事業者が提供する回線とSD-WANサービスを組み合わせて利用する。SD-WANサービスは米ヴィプテラや米ヴェロクラウドなどが提供中である。

 SD-WANサービスは、WANを集中管理する「ポータルサイト」をクラウド上に用意する。ユーザーがWANを設定したり回線状況や利用状況を確認したりするのに使う。

 また、WANで接続する各拠点には接続装置「CPE(Customer Premises Equipment)」を置く。CPEはいわば「ポータルサイトから制御可能なVPNルーター」といえよう。

 「WANを集中管理できるのは結構なことではないか」と思うだろう。その通りだ。問題は、メリットがコストに見合うかどうかである。

米国ではコスト削減効果が抜群

 SD-WANの取材を進めると、複数の取材先から意外な話を聞いた。日本ではSD-WANのメリットを感じて導入を検討する企業がある一方、SD-WANサービスを「高い」と感じる企業も少なくないのだという。

 日本でなぜSD-WANが高いと思われてしまうのか。その遠因は、SD-WANが「米国生まれ」だという点にある。