電源が一切入らないなど使用不能になったスマートフォンなどの情報機器を俗に「文鎮」という。紙や書物が風でめくれないよう押さえる文鎮くらいしか使い道がない、という意味だ。

 先週、筆者が寄せ集めている“文鎮コレクション”に新顔が加わった。米アマゾン・ドット・コムが2016年に発売した手のひらサイズの音声認識機能付きスピーカー、「Amazon Echo Dot」だ。

米アマゾン・ドット・コムの「Echo Dot」
米アマゾン・ドット・コムの「Echo Dot」
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 このスピーカーに話しかけるとアマゾンのAI(人工知能)音声アシスタント「Alexa(アレクサ)」に質問したり会話したりできるという。2017年1月初旬に米ラスベガスで開催された家電見本市「CES」を取材した先輩社員から「会場はアレクサ一色だった」と聞かされ、ぜひとも触れてみたくなったのだ。アマゾンは2015年から同様のスピーカーを販売しているが、いずれも日本では取り扱っていないためネットで購入した。

 商品が手元に届き、さっそく外箱を開封した。商品の「取材」は電源を入れる前から始まる。大きさ重さ、ボタンのクリック感など知っておくべきことは色々ある。

Echo Dotを開封した
Echo Dotを開封した
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無個性な本体に感じるアマゾンの凄み

 実際に本体を手に取って感じるのはシンプルなデザインと、あまり高級感のない手触りだ。米国の販売価格が50ドル以下だから当然といえば当然だが、ほとんど素材のプラスチック感丸出しの手触りをしている。同価格帯のBluetoothスピーカーに比べて軽く、電源端子などもむき出し。いかにも汎用品の風情だ。