写真●東急リバブル 経営管理本部の島村誠一IT推進部長
写真●東急リバブル 経営管理本部の島村誠一IT推進部長
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 タイトルに「SaaS」と入れた記者の眼は、これが6年ぶりとなるようだ。検索してみたところ、最後に書かれたSaaS関連の記事は2009年1月16日の公開である(自治体の基幹系システム,いよいよSaaS/ASP時代に突入へ)。大山鳴動して鼠一匹。大騒ぎしながらも、実際に世に受け入れられたサービスはあまり多くなかった。

 しかし、この状況が変化していきそうな気配があると感じている。年始というにはいくぶん時間がたちすぎたが、筆者の2015年の予測は「再びSaaSが脚光を浴びる」に賭けてみたい。Google AppsやMicrosoft Office 365、Salesforce.comのSales Cloudといった定番SaaSだけでなく、多様なSaaSが登場してユーザー企業で使われていく――というシナリオだ。

 筆者は日経SYSTEMS2月号の特集「先駆者ユーザーが語る クラウドの選択」で、多数のIaaS/PaaSユーザー企業に取材に伺った。取材の場でちょくちょく耳にしたのがSaaSへの期待だ。「自社の業務に合致したSaaSがあれば使ってみたいのだが、何か知らないか」といった話になることも多かった。

 こうした傾向は徐々に強まっていると感じる。オンプレミス環境からIaaSに移行すれば、ユーザー企業のシステム部門にとってインフラ管理の手間は減る。しかし、システム開発そのものは、インフラが何であれ必要になる。このシステム開発の時間すら惜しい、というのが現場の悩みになっているのだ。

 東急リバブル 経営管理本部の島村誠一IT推進部長は「業務システムはできるだけSaaSを使う方向にしていきたい。いちいちシステム開発していては、現場のスピード感に応えられない」と問題意識を吐露する。