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記者の眼

社長から「君たちは要らない」と宣告されたIT部門の4年後

木村 岳史=日経コンピュータ 2015/01/22 日経コンピュータ

 インタビュアー「IT部門は今、社長の期待に応えていますか」。社長「私から見ると、社内のIT部門はまだ出遅れています。現場の痛みをあまり知らないとも言えます。『このままでは君たちは要らない』とはっきり言いました」。

 このインタビュアーとは著者自身のことである。様々な企業の経営者に取材してきたが、このインタビューが一番衝撃的だった。なんせ公式取材で「このままでは」という条件付きながら、社長が「IT部門は要らない」と宣告したのだから。インタビューは4年前、私が日経コンピュータ編集長のときで、相手はリコーの近藤史朗氏(現会長)である(関連記事:編集長インタビュー「事業環境の変化を先取り」)。

 そのリコーのIT部門は今どうなったか。ITproに1月13日付で掲載された同社の瀬川大介常務へのインタビューが興味深い。瀬川常務は“CIO(最高情報責任者)”として取材を受けているが、「私は厳密にはCIOではない」と前置きして語り始めている。なんでも2014年4月にIT部門を解体再編し、同時にCIO職も廃止したそうだ(関連記事:CIOが語る次のIT「成長のため、20年続いた歴史あるIT部門を“解体”」)。

 これら2つのインタビューを単に並べただけでは、「社長から『君たちは要らない』と言われたIT部門が遂に廃止された」ように見える。だが、実際はかなり違う。それに急速に“ビジネスのIT化”が進むリコーはある意味、日本の多くのユーザー企業にとって先行事例と言えるのだ。ITに対する経営者の問題意識、そしてIT部門の課題や改革の取り組みは、多くの企業にとって“やがて往く道”である。

 そんなわけなので、リコーの事例を主な素材として、これからのIT部門の在り方、そして経営や事業部門との関わり方などについて論じてみたい。私の論の素材とされるリコーのIT関係者にとっては迷惑至極かもしれないが、あの編集長インタビューの一方の当事者という因縁もあることなので、ご容赦いただきたい。

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