2014年末、ITベンチャーの関係者を集めたイベントが二つ、京都で行われた。「Infinity Ventures Summit 2014 Fall」と、その兄弟イベントの「Infinity Ventures Summit CTO Night & Day」である。両方に参加した筆者は、経済不況も高齢化もぶっ飛ばせ!という熱気を感じてきたので、その模様をここでご報告したい。
日本はスマホアプリの最先端市場
ベンチャーキャピタルのインフィニティ・ベンチャー・パートナーズが主催する「Infinity Ventures Summit 2014 Fall」(以後、IVS)では、スマートフォン向けのアプリの世界的な動向の話に非常に興味をひかれた。このレクチャーには、アプリ市場データと分析ツール開発を手掛ける米App AnnnieのCEOのバートランド・シュミット氏と、LINEの舛田淳氏が登壇。シュミット氏はグローバル規模でのアプリの利用動向を、舛田氏はLINEユーザーの制作したスタンプの販売状況を説明した(写真1)。
米App Annnieの調査によると、iOS App StoreとGoogle Playを足した場合、ダウンロード数では、トップが米国、2位が中国、3位ブラジル、4位ロシア、5位インドで、日本はやっと6位に顔を出す(写真2)。7位が韓国、以下メキシコ、英国、トルコの順となる。筆者は正直言って「こんなものなのかな」と少し寂しい気持ちになった。中国はGoogle Playのダウンロード数がゼロ(中国からGoogleが撤退したため)でも、2位になっているのに。
ところが、これが収入ランキングになると、様相ががらりと変わる(写真3)。トップはなんと日本で、2位が米国、3位に韓国がランクイン。その後も4位が中国、6位英国、7位オーストラリア……と続いている。米国を上回る水準になるとは、正直言って想像していなかった。LINEの舛田氏も「スマホアプリビジネスのマネタイズ(現金化、収益化)を考えれば、日本は非常にいい市場環境にある」と解説していた。