2015年11月21日、恒例の秋の情報化研究会を日本科学未来館で開催した(写真1)。筆者は「IPテレフォニーの最先端とその近未来像」と題してマクロな講演をした。ソフトフォン専業ベンチャーであるageetの代表取締役 岡崎 昌人さんには「スマホde企業電話」というテーマで、ミクロに立ち入ったソフトフォンの応用について話していただいた。ソフトフォンの仕組みを絵にしたのが図1である。

写真1●秋の情報化研究会の参加者(筆者撮影)
写真1●秋の情報化研究会の参加者(筆者撮影)
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図1●ソフトフォンの仕組み
図1●ソフトフォンの仕組み
出所:ageet
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 ageetのソフトフォンは180ものパラメーターを内部に持っており、パラメーター変更のみで様々なIP-PBXや通話サービスに接続できるのが強みだという。NTT西日本をはじめ、多くのサービスやIP電話サーバーと接続実績がある。ソフトフォンの奥深さが分る面白い講演であった。

 さて、本論に入ろう。今年の春まで、家族6人ともiPhoneユーザーだった。離れて暮らす家族同士でFaceTimeをけっこうよく使っていた。こっちも、向こうもWi-Fi環境でスピードが出ているときは映像もきれいだし、回線が遅く映像の動きが悪いときでも音質はいいので重宝していた。

 ところが、妻がiPhoneを解約し、安いSIMフリースマートフォン(データ専用)とソフトバンクのフィーチャーフォン(電話専用)に代えたため事情が変わった。AndroidなのでFaceTimeが使えなくなったのだ。

安いスマホでもいい音質

 そこでビデオ通話はAndroidでも、iOSでも使えるLINEに乗り換えた。もともと家族間でLINEのインスタントメッセージ機能をよく使っており、メッセージや写真・ビデオのやり取りが頻繁にある。

 妻のSIMフリースマホは2万3000円のファーウェイ製Ascend G620Sである。高級なiPhoneと比べて音質が悪いのではないかと思いつつ、LINEのビデオ通話を使った。ところが、予想に反して音質が良く映像の動きも滑らかなのである。