写真●『縁もたけなわ ぼくが編集者人生で出会った愉快な人たち』、松田哲夫 著、小学館 発行、1800円(税別)
写真●『縁もたけなわ ぼくが編集者人生で出会った愉快な人たち』、松田哲夫 著、小学館 発行、1800円(税別)
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  先日、ICT専門誌の編集に長年携わっている方と会話する機会があった。出版業界、わけても雑誌の厳しさが話題になった。

 同じタイミングで、「縁もたけなわ」(写真)という本を読んだ。出版業界の全盛期を経験した編集者である著者が、作家や漫画家との交流や本作りについて語ったものだ。380ページの重い本を読みながら、紙の雑誌や書籍の存在価値について考えさせられた。

 さて、本論に入ろう。9月に発売されたiPhone 6の目玉機能の一つは、VoLTE(Voice over LTE)である。VoLTE自体は、NTTドコモが6月から高品質音声サービスやビデオ通話などを始めており同社のスマートフォンやタブレットの一部機種で利用できる。しかしiPhone 6のVoLTEは、10月1日時点でドコモを含めて日本の3大モバイルキャリアはまだ対応時期を発表していない(2014年10月1日現在)。

 日本で使えるのはもう少し先になりそうだが、iPhone 6のVoLTEには面白い機能が付いている。

2G時代からある「Wi-Fiとモバイル」の連携

 それはWi-Fi(無線LAN)から電話を発信でき、LTE網へのハンドオーバーもできる機能である。例えば、屋内のWi-Fi経由でiPhoneから発信して通話が始まる。そのまま屋外に出ていくと、途中でWi-Fiの電波は弱くなるが、電波が届かなくなる前にWi-FiからLTE網に切り替えて、通話を途切らせることなく継続できるのだ。

 もちろん、この機能は端末だけで実現できるものではなく、端末とキャリア網との連携が必要である。米国のT-モバイルUSはWi-Fiを使った電話機能を「Wi-Fi Calling」と呼び、Android端末やWindows端末を対象に2007年からサービスしている。今回、これにiPhone 6が加わった。